渡邊 健一
点字データクラス。主な主題は「視覚障害者(児)固有の生活様式と文化的価値」「聞いて触って幸せさがし」等。「聞いて触って幸せさがし」とは、私が2005年に都立総合学科高校の市民講師をした際、視覚障害者の生活様式や文化的側面の価値を知ってもらうための体験的な授業で、初めて掲げたテーマです。以来18年。小学校から大学まで福祉教育の授業支援を継続中。一市民の立場から、学校や地域で視覚障害者(児)の「障害」や「心理」の一端を体験的に学ぶ目的の授業をより良いものにすべく、当事者発で学校の先生方を支援する指導案を開発し啓発に取り組んできました。案の概要は、近刊の『ふくしと教育』通巻36号(2023年9月号)の「わたしの指導案」の欄に寄稿していますので、ご一読いただければ幸いです(全文は大学図書出版のサイトの「読者のページ」からダウンロードしてご覧ください)。
視覚障害者(児)の生活を支えている貴重な情報源である「音声」の存在を大切に扱ってくださる方々。紙とデータ化との共存時代の真っ盛りである「触読文字としての点字」の可能性と直面する課題に、多くの方が学び理解を深めてくださることを期待します。2025年は、16歳だったルイ・ブライユ氏によって現在の点字の基礎となっている“6点点字”が考案されて満200年です。この歴史的な年から、この科目を履修される皆さんと“聞いて触って”幸せに生きるとはどういうことか?皆さんとお目に(お耳に)かかり、ご一緒に深め掘り下げていけることを楽しみにしています。
【法政大学大学院 人間社会研究科福祉社会専攻修士課程修了。修士(福祉社会)。
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科ヒューマン・コミュニティ創成研究センター 学外研究員。2024年1月より相模原市社会教育委員。これまで同市総合計画審議会委員等歴任。日本社会教育学会, 基礎教育保障学会, 日本福祉教育・ボランティア学習学会会員。著作に・「わたしの指導案 当事者と共に探究する“見えない”が見えてくるバリアフリー学習授業プラン《聞いて触ってしあわせさがし》にこめた全盲講師の眼」日本福祉教育・ボランティア学習学会編『ふくしと教育』通巻36号(2023年9月)、「“130歳を迎えた日本点字”を希望の未来へつなぐ~輝き続ける「ブライユ点字」の考案200年を目指して~」『図書館ひろば』第26号(2021年1月)、「社会教育を見る眼 バリアフリーシステムを学習素材に~誘導ブロックが教えてくれるもの」『社会教育』750号(2008)等。】