田村 真広
選択科目「人権と福祉教育」を担当予定です。学校における「いじめ」予防と解決に関心を持っています。人間関係のトラブルは発達課題と前向きにとらえることができますが、一方で子ども間の「いじめ」の背景に家庭内の児童虐待や職業・地域社会でのハラスメントが絡んでいることがあって一筋縄で解決できないことがあります。人権尊重の主体形成に正しい知識の獲得や最新情報への更新は必須ですが、再生産される偏見や差別のしくみを見抜き、被害側と加害側の子どもが当事者性を獲得し、弊害を最小化する手立てを機能させることが重要です。被害者が声をあげるにはアライ(ally)の存在が不可欠です。一人の切実な訴えを傾聴する人々こそが被害者の声を引き出し響かせるのです。傍観する大人が知らずに加担側にいるかもしれないと「振り返り引き返す」こともまた、アライ層を厚くするための良き構えとなります。
【1994年 筑波大学大学院単位取得退学(教育学修士)、北海道教育大学を経て日本社会事業大学教授。共編著(2002)『福祉科指導法入門』中央法規出版/共編著(2006)『あっ!こんな教育もあるんだ』新評論/共編著(2014)『福祉教育・ボランティア学習の新機軸』大学図書出版/共編著(2018)『希望をつむぐ教育』生活ジャーナル/分担執筆(2019)『生徒指導・進路指導』ミネルヴァ書房、その他多数】